松阪の生んだ偉大な国学者・本居宣長(1730~1801)は、広く日本の古典を研究し、人と歌との密接な関わりを明らかにし、歌を詠むことは、人の心を理解する上で最も大事なことだと考えました。何より、宣長にとって歌を詠むことは、大きな楽しみでもあり、その生涯に詠んだ歌は1万首を数えます。
昔、松阪の人々の間には「宣長先生の歌詠み時」という時間帯がありました。明かりをつけるほどではないが、細かい仕事の出来ない、ちょうど明け方や夕方を、宣長先生が歌を詠んでいる時間だと言ったのです。松阪の人にとって宣長は偉大な学者である前に、歌を楽しむごく身近な存在の人でした。
「本居宣長顕彰短歌大会」は、短歌を詠むことで、歌をこよなく愛した宣長の遺徳をしのぶとともに、歌に親しみ、また歌を通して日本の文化に触れていただこうとする行事です。 |