宣長流 古典の楽しみ方 <11>   

11,古典を正確に読む 

 古典を正確に読む、宣長の〈物まなび〉の目的はこの一点にあったと言っても言い過ぎではないでしょう。中でも重視したのが言葉の研究です。
 
 古典は言葉で書かれます。言葉の意味や法則を正しく理解するため、文字、音韻、文法まで生涯その研究(『古言指南』・『詞の玉緒稿』〔15ケース〕)は続き、更にやり残した所は長男春庭が継承します(『詞の通路』〔15ケース〕)。

  それにしても「かな」や「こそ」など「詞の玉緒」執筆のために集めた用例は膨大です。宣長の学問がいかに厳密に構築されているかがよくわかりますね。

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