宣長流 古典の楽しみ方 <9>   

9,古典の世界をヴィジュアル化する 

 古典世界を目で見える形にする、つまりビジュアル化する。これは古くは「絵巻」もそうですし、また工芸作品にも、時には料理にもなっています。
 
 宣長の周辺では一番多いのが、絵にする、そしてそれ歌を書くという「画賛」でした。
「仲国小督を訪ねるの図」〔1ケース〕や「倭建命像」(平松曼容画・荒木田麗女賛〔5ケース〕)は古典に取材したものです。

 また、万葉歌人を描いたのが「柿本人麻呂像」〔5ケース〕、また藤原俊成を描いたのが「井手の玉川図」〔5ケース〕です。
 特にこの人麻呂像は、歌会の時に神さまとして礼拝の対象になった物です。
賛は『万葉集』巻1に出る人麻呂の歌、また『新古今集』の俊成の歌を宣長が書いています。

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