十一月の宣長

◇ 11月

 霜月11月は、寒に入り冬本番。


◇ 時候の言葉(寛政10年書簡)
「寒ニ入殊外冷申候」(寛政7年11月27日)
「如仰寒冷之節」(11月3日・坂倉茂樹宛)
「先以寒冷之節」(11月10日・衣川長秋宛)
「寒冷甚候節」(11月22日・三井高蔭宛)


◇ 3つの大きな出来事

  1. 延享4年(18歳)11月14日、『和歌の浦』起筆。宣長と和歌との関わりの一番最初である。
  2. 寛延元年(19歳)11月14日、今井田氏養子となり山田(現、伊勢市)に移る。
  3. 寛政6年(1794・65歳)11月、和歌山城内で御前講義。
    講義書目は、3日、5日「中臣祓」、6日、「詠歌大概」。

◇ 11月の歌

ますらをははだれ霜ふり寒きよも
      こころふりおこしねずてふみよめ
寒けくてふみて(筆)とる手はかがむ共
      なおこたりそね長き此夜を
【セドウ歌】此朝け堀坂山に初雪降ぬ
        ぬば玉のきその夜嵐うべもさへけり
滝つ瀬のはゆま駅の鈴鹿山
      ふりさけみれば雪ふりにけり
【セドウ歌】うち渡す矢川の原の一松あはれ
        霜枯に残りてたてる一松あはれ
矢川野の冬の田面を見渡せば
      麦まきすててもる人もなし

※はだれ=斑雪。きそ=昨夜・うべ=全く
※最後の2首は遍照寺会の作か?(安永6年・48歳)。


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◇ 11月の宣長


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