この像について、「素人としてはよく描けてゐるが、口のあたりに不自然の感を拭えない」(「松笠拾ひ・六」安西勝・『比較民俗学会報』8-12)と言う評がある。 でも、口元の描写には別の見方もある。歯が抜けているからこのようになったので、その後、入れ歯を入れた七十二歳像では不自然さは無くなっていると言うのだ。 宣長が入れ歯を入れたのは寛政8年4月。歯が抜けたのはいつ頃だろう。寛政初年では、ちょっと早いようにも思える。
>>「眼鏡と入れ歯」
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