midashi_p.gif 御師の台所

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 これが伊勢の御師の台所です。伊勢参宮の楽しみの一つが、山海の珍味。伊勢国は食べるものがおいしい。宣長も「かくて此国、海の物、山野の物、すべてともしからず」と「伊勢国」で言っています。これは今も昔も変わりません。

 さて、向かって左端の客人、寝そべっている人、手ぬぐいを以て一風呂浴びてくるかという人。今、御師の屋敷での御神楽が終わった、さあ待ちに待った御馳走じゃという情景かな。

 帳場では帳面の確認作業。台所では「神風」という薦被りも運び込まれ、膳の用意もたけなわ。白い着物に烏帽子はここの主人でしょう。

 よく目を凝らすと、伊勢エビや鯛やキジに松茸、実にいろんな食材が並んでいます。

 右手のかまどからは湯気がたなびき、みんな忙しそうだけど、楽しそう。
 御馳走は恐い顔しては作れません。
 御師の台所が一度に沢山の料理を、しかも少人数で作ることは、井原西鶴の『西鶴織留』に驚きを以て描写されています。

 この絵は、大正4年、伊勢の画家川口呉川が、昔の絵巻を写したもの。
「御師邸内図」 酒
「御師邸内図」 海老
「御師邸内図」 鯛
「御師邸内図」松茸

「御師邸内図」

「御師邸内図」

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