明和8年(1771・42歳)10月18日に終わった、『源氏物語』「鈴虫巻」を見てみよう。
6日、『源氏物語』講釈、「鈴虫巻」開始か?
10日、『源氏物語』「鈴虫巻」講釈?
12日、『源氏物語』「鈴虫巻」講釈?
16日、『源氏物語』「鈴虫巻」講釈?
18日、『源氏物語』「鈴虫巻」講釈?
22日、『源氏物語』「鈴虫巻」講釈終わる。
「鈴虫巻」は『湖月抄』で12丁(本文11丁・今の注釈本では20頁)。それを6回で終えるので、1回、約2丁(枚)のペースとなる。意外と少ない。講釈の時間も短かったのかもしれない。
特別の講義では、時間により、まちまちである。
寛政6年閏霜月12日、紀州藩主祖母・清信院への講釈では、
「四ツ時より吹上御殿へ参ル、清心(信)院御前ニ而、源氏物語若紫巻講尺申上、廿枚余読ム、四切リ、夜ニ入古今集俳諧部読ム、御姫様ニも吹上御殿へ御出に而御聴聞、其外御医師中一列、御役人中一列聴聞也」
とある。4回に分けて、20丁(枚)読んでいる。
寛政7年8月13日、本陣美濃屋での松平康定への講釈では、
「初音の巻のはじめ三ひら四ひらばかり講じたるいとよういひとほれり」
とある。『源氏物語』「初音巻」の冒頭、3、4丁(枚)を読んだ。
寛政12年11月29日、紀州藩主への御前講義では
「講尺、源氏帚木巻、始より五枚読、尤御好ミノ巻也」
とある。『源氏物語』「帚木巻」の冒頭、5丁(枚)を読んでいる。
>>「4 浜田の殿様、宣長と会う」
>>「丁」
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