◇  大人も夏休み、筆箱持って宣長さんを追体験 #028

 この夏、記念館では、和歌子とらんの案内で宣長さんを追体験してみようという見学ノートを作成しました。
 タイトルは、『らんのふしぎ発見!本居宣長記念館見学ノート』

『らんのふしぎ発見!本居宣長記念館見学ノート』

 夏休みで、この名前だから、ああ子ども向けだね、と思われるかもしれません。
 もちろん、子どもでも楽しめます。
 でも、たとえば、読書人を自負している人でも、本なんて学校出てから読んだことがないという方でも、きっとしばし暑さを忘れ、夢中になれるはずです。

 まず筆箱を用意する。
 次にページを開いてください。
 最初からでなくても、適当なページでかまいません。
 宣長が17歳の時に作成した「大日本天下四海画図」。松阪周辺の拡大図を入れておきました。どんな紙でも結構です、写してください。
 すると、存外難しいことに気がつきます。地名を入れたら全体の形がとれない。
 内容も、はてなが続出。
 北勢にある「古物」と言う地名は一体どこだ。
 津、桑名、亀山は□で、松坂、山田、宇治は○、古物や久居、田丸は小判型・・・。
 山や、神宮の辺りには木も描かれる。神宮杉でしょうか。
 いかにも地図っぽい工夫も見て取れます。
 写し終わったら、もう一度宣長の地図と比較して、次のページに丁寧に貼ってください。
 また、一日24時間の時間割があります。
 自分の一日を振り返って、次に宣長さんの一日に思いを馳せてください。
 『古事記伝』を書写するページもあります。ぜひ筆ペンでチャレンジしてください。ちなみに宣長が『古事記伝』最終巻、最後のページを書いたのは220年前の7月26日、暑い夏の日でした。
 継子だてとか二文飛びという昔のクイズや、塗り絵もあります。

 こんなこと小学生の頃以来だなと、童心に返っていただいたあとは、賀茂真淵先生と宣長の出会い「松坂の一夜」の絵を眺めて、自分に近い人の気持ちになってみる。
 たとえば私なら、明らかに真淵先生に近い。
 29ページの真淵先生の述懐、34歳の有為な若者を前にした67歳の真淵の期待、そして一抹の寂しさ。
 この真淵の気持ちは、きっと子どもには、わからないでしょうね。

 ていねいに写す手と、しっかりと観察する目、実際に行ってみる足、そして思い描くこと、その人の気持ちに寄り添うこと。
 著作や伝記だけでは知ることの出来ない宣長さんに、きっと会えるはずです。

 入手方法ですが、 現在、記念館窓口で無料配布中です。
 郵送ご希望の方は、送料として250円分切手を同封し記念館まで申し込んでください。
 たくさん印刷しましたが、もう半分ほど出ました。お急ぎください。

 ※A4版・52ページ・フルカラー・このワークブックは、
  公益財団法人岡田文化財団の助成を受けて作成しました。

  本居宣長記念館
  〒515−0073 三重県松阪市殿町1536-7
  電話:0598-21-0312  FAX:0598-21-0371


2018.8.8 

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