今から本を開けようとするその瞬間の宣長さんです。
もちろん、これはジオラマです。
かなりよくできています。
今、博物館の世界ではジオラマにはちょっと距離を置く傾向にありますが、
宣長くらい資料があると、
作ってみるのも面白いかもしれません。
本居宣長記念館は、建築から満43年目を迎えた昨秋、耐震診断を遅ればせながら実施しました。
強度はかなりありますが、松阪市の公共施設の基準には達していません。
近く、補強計画を立てて、工事を行う方向で検討していますが、
修理や補強だけではだめだというみんなさんからのご意見を尊重し、
リニューアルも検討しています。
収蔵庫と展示室は対象外となりますが、
1階や2階の講座室で、
例えばもっと宣長世界を体感できるような、
仕掛けは出来ないだろうかなど考えています。
柱掛鈴を鳴らしてみる。
薄暗い部屋の中で、宣長の源氏物語講釈の声を聴いてみる。
などなど。
今の記念館は、21世紀から、階段を上がると、突然『古事記伝』自筆稿本の18世紀へとワープするので、
頭の切り替えをしていただく導入部分です。
階段そのものが、時間を遡るように出来ると面白いのですが。
例えば、このような「鈴屋」の中を見てもらう工夫も候補の一つです。
要望が多いのです。鈴屋の中を見たいという。
ぜひ皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
写真は『神都歴史館絵葉書』宇治山田市発行。
提供は、近代文学・美術研究家の山田俊幸氏(帝塚山学院大学教授)です。
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