鈴屋円居の図部分 本居宣長記念館
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宣長十講
 
 
 
 宣長十講

 平成29年度 宣長十講  

毀 誉 相 半 !
―ほめたり、けなしたり―

   今年は、元気に満ちた学問世界にみなさんをご案内します。

 本居宣長の学問はその方法も、導き出された成果も全く新しいものでした。
 その学問に触れた人は圧倒され、目が醒めたとか、面白くてため息が出た、中には、田中道麿のように「生まれ変わった」というほど強い衝撃を受けた人もいます。
 しかし、それだけに反発も激しく、立ち位置の異なる儒学者はもちろん、同じ賀茂真淵の門からも批判がありました。
 宣長は、議論は益あることだと言っています。批判は学者にとっては勲章のようなものなのかもしれません。それにしても没後220年近く経過した今も、批判されたり賞賛されたりと、が止まないのは、宣長の学問の大きさだと言えるでしょう。

 さてさて、今年の十講は、宣長のことが好きな人と、逆に宣長のことが嫌いだという人の話です。
 好きな人は文句なしに好きだし、嫌いな人は、「嫌いだ!
だけでは様になりませんから、色々と理屈を付けて批判します。
 悪口というものは、他人事の場合、なかなか面白いものですが、十講に集まられる皆さんには、ちょっと不愉快に感じられることもあるはずです。しかしそこはぜひ大きな心を持って、それぞれの言い分を聞いてください。宣長の新しい側面をきっと発見できるはずです。

 「この先生大好きだ」と部屋に先生の肖像を飾ったり、「伊勢の田舎もの」などと罵倒するような、「国学」がまだ「新しい学問」だった、とても活きの良い時代の十話です。


平成29年度 宣長十講 毀 誉 相 半 ! ―ほめたり、けなしたり― 
1、日 程
 平成29年
5月20日
第1講
(土) 秋田の本居門人―あこがれの宣長
秋田大学名誉教授 金児 紘征
 松阪から遠く離れた秋田に多くの本居門人がいた。身近に松阪通の人もいた。彼らは、本居宣長の木像を製作し、その学恩に報いた。どのようにして本居門人となり、グループが形成されていったのか、藩校における和学方の設置の経緯とその後、また、秋田と松阪の交流はどのようなものであったかについて紹介する。
6月17日
第2講
(土) 宣長敬慕―橘曙覧の思い
  橘曙覧記念文学館 内田 好美
 たのしみは鈴屋大人の後に生まれその御諭しをうくる思ふ時――福井の歌人として、国学者として知られる橘曙覧(1812-68)は、本居宣長を尊敬し、冒頭の和歌を残しています。曙覧が生まれたのは宣長没後から約10年後。直接師事できなかった曙覧でしたが、宣長の学問を慕い、どのように思い、行動したのかについてご紹介します。
7月15日
第3講
(土) 競合する二つの古代像―宣長と秋成―     
金沢学院大学名誉教授 山下 久夫
 宣長は、古事記研究を通して「言霊の幸はふ国」としてのわが国の古代像を描き、儒教や仏教の流入で「神の道」が衰退したと主張した。宣長と競合する秋成は、復古の不可を説き、むしろ上代の理想が失われ変容していく過程そのものに関心を向け、儒教・仏教を受容してしまう人間の「情欲=性」のあり様を浮き彫りにした。復古でない「国学」の可能性の提示、といってもよい。
9月16日
第4講
(土) 美術館で、宣長を想う―宣長展 探偵術―
三重県立美術館 道田 美貴
 この秋、三重県立美術館で、宣長自筆史料はもちろん、宣長の交遊関係、源氏物語の世界や松坂の文化風土を探る史料・作品180点を展観する。今回の十講では、担当学芸員が展覧会の見どころや裏話をご紹介しつつ、出品作品から宣長【毀誉相半】を考えていく。美術館で宣長の時代にタイムトリップし、宣長を探偵するための60分。
10月21日
第5講
(土) 面従腹背―村田春海
神戸大学 田中 康二
 松坂の一夜に宣長は生涯の師賀茂真淵に出会った。その日、会うべくして会わなかったのが村田春海である。その後、四半世紀を経て春海は宣長を訪れ、宣長の意を受けて真淵を顕彰する活動を始める。そして、春海は兄弟弟子である宣長をライバル視して、春海なりの国学を修める。春海の宣長観は複雑に変転する。
11月18日
第6講
(土) 宣長と高尚 
京都学園大学 山崎 芙紗子
 藤井高尚は源氏物語などを研究した宣長の門人で、29歳の時に松阪を訪れ、宣長に会いました。このとき宣長に心酔し故郷の友人に手紙で報告しています。高尚は備中吉備津神社の神官でした。期間は短かったけれど、中身の濃かった師弟関係を紹介してみたいと思います。
12月16日
第7講
(土) 橘守部の宣長批判
中部大学 岡本 聡
 橘守部の最も弱年のものと考えられる『神風問答』(文化十三年成立)には、宣長への私淑と見られる言辞が見いだせる。その橘守部は後に『難古事記伝』を書く宣長学の批判者として名をなす。本講座では、守部が宣長を批判するに至った経緯と、宣長の言説における実事と虚事をわけようとする守部の『古事記伝』批判の方法の一端にふれてみたい。
 平成30年
1月20日
第8講
(土) 期待の毀誉―真淵と宣長―
  静岡大学 高野 奈未
 宣長が、師である真淵から、『万葉集』に関する見解や新古今風の和歌を目指す詠歌態度を厳しく叱責されたことはよく知られている。ただしその叱責は宣長に期待し、その実力を認めているがゆえのことであった。本講座では、真淵・宣長間の書簡のほか、当時の真淵の活動、置かれた状況を検討し、真淵から宣長に対する「毀誉相半」の実態を浮き彫りにする。
2月17日
第9講
(土) 城戸千楯―平田篤胤を毛嫌いした京都の宣長門人
明星大学 青山 英正

 城戸千楯は、宣長没後、平田篤胤との接触を拒否したことで知られる。それを篤胤側から記したのが、かの『毀誉相半書』であり、それ以来千楯ら京都の宣長門人には、師の教えに無理解な保守派というレッテルが貼られてきた。しかし、彼らは彼らなりに宣長学を真摯に継承しようとしたはずだ。そこで、京都という地を基点にして、これまでとは違った角度から宣長学を再考してみたい。

3月17日
第10講
(土) 宣長学に魅せられた人々
本居宣長記念館 吉田 悦之

 1797年4月3日、広島の末田芳麿は、山まゆ1反を土産に、松阪魚町の本居宣長宅を訪問して肝をつぶした。日本中から学者が集まっているではないか。彼らは何を求めて九州や四国、東北から長い旅路を歩んできたのか。研究成果だけでは語れない宣長の学問がもつ《吸引力》をご紹介したい。


○ 日 時 毎月第三土曜日(4月、8月を除く) 午後2時より
○ 場 所 松阪市松阪公民館
○ 受講料 1,000円(10講分資料代)・1回聴講は100円
○ 申込み開始日 平成29年4月15日(土)
 第34回鈴屋学会大会公開講演会々場
         (松阪市産業振興センター)
   ※以後は、本居宣長記念館で受け付けます。

 >> 受講申し込み書(PDF) ※印刷してお持ち下さい。
○ 申し込み
  問い合わせ

本居宣長記念館 〒515-0073  松阪市殿町1536ー7 
     TEL: 0598-21-0312 / FAX: 0598-21-0371
 Eメール:info@norinagakinenkan.com
※駐車場はございません。松阪市の駐車場へお停め下さい※


 


宣長十講

第1回  平成 2年度
第2回  平成 3年度
第3回  平成 4年度
第4回  平成 5年度
第5回  平成 6年度
第11回 平成12年度
第12回 平成13年度
第13回 平成14年度
第14回 平成15年度
第15回 平成16年度
第21回 平成22年度
第22回 平成23年度
第23回 平成24年度
第24回 平成25年度
第25回 平成26年度
第6回  平成 7年度
第7回  平成 8年度
第8回  平成 9年度
第9回  平成 10年度
第10回  平成 11年度
第16回 平成17年度
第17回 平成18年度
第18回 平成19年度
第19回 平成20年度
第20回 平成21年度
第26回 平成27年度
第27回 平成28年度

会場:第1回(平成2年度)〜第9回(平成10年度)本居宣長記念館講座室
   聴講者が外にまで溢れる盛況により、
   第10回(平成11年度)から 松阪市中央公民館

 
 



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