ウサギの歌


 
『短歌』2月号「私の最も愛する歌」で、島有道さんが

「こゝたくにつとふうさきの友見れはわにあさむきし神代しおもほゆ」
という宣長の歌を『石上稿』から紹介された。

 意味が取りやすいように表記を変えてみると、
「ここだくに 集ふ兎の 友見れば ワニあざむきし 神代しおもほゆ」
で、こんなに多くのうさぎが集まっているのを見ると、因幡の白ウサギの昔が忍ばれることだ、という意味であろうか。

 歌は、享和元年(宣長72歳)の時にウサギの絵の賛として詠まれたもので、もちろん『古事記』に出る因幡の白ウサギとワニの話からの連想であろう。

 島さんは
「「読(ヨム)は数計(カゾフル)なり」「今ノ世にも銭などを数ふるをば、よむと云り」などと往時に註した「古事記伝」著述の日々が、ぴょんぴょんと脳裏を走ったのだろうと思うに楽しい」
と書いている。

>>「素兎 シロウサギ」

2005.3.24