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◇ 略解説
1,「武者」渡辺清画 1幅
渡辺清画・二条厚基遺品。
蔵印(軸裏)「二条家図書記」。
故実画を得意とした作者だけにていねいに描き込まれている。
この絵は、馬をこよなく愛した小津茂郎氏の愛玩品でもあるが、その父・茂右衛門も気に入り、端午の節句には、この絵が掛けられた。
>>「渡辺清」
2,「紺紙金泥経切 増語是菩提」 1幅
鎌倉時代。小津清左衛門家の古筆切のコレクションは有名だが、小津茂右衛門にもいくつかの名筆が収蔵されていた。
この切の筆者は不明だが、表具にも趣向を凝らし、趣のある一幅に仕上がっていて、茶会などにも掛けられた。
3,「玄々斎消息 村田穂波君宛」 1幅 ※初公開
裏千家家元・玄々斎の堂々たる書簡。村田穂波君宛。霜月望(十一月十五日)付。
玄々斎(1810〜77)は、裏千家11世として、幕末明治の動乱期を切り抜けた。松阪には豪商の長谷川家、長井家、射和の竹川家など熱心な支援者がいて、自らも指導のために訪れもし、また高弟・深津宗味を遣わして関係を深めた。
巻末に、自作の詩を付す。
村田穂波は、相可(多気町)の人。射和の社中に属していた。
文面は、無事に帰着したことを報じ、滞在中の礼と、初めての対面を喜ぶ。
4,「冠之図」住吉広実画・大綱賛 1幅
住吉広実画・大綱賛。
大綱(1772〜1860)は、京都の大徳寺第435世で、塔頭・黄梅院に住した。表千家吸江斎、裏千家玄々斎などと親しく、その墨跡は茶人に珍重されている。
広実は文政頃の人。
一見すると単純な絵だけに、かえって画人の力量がよく表れている。静謐の気が漂う佳作である。
賛は「写絵をあふぐも高き冠にいただく人の心をぞしる」。
5,「赤絵麟鳳亀龍水指」松阪万古 芳りん作 1具
6,「荒土手捻水指」 松阪万古 芳りん作 1具
7,「菊水指」 射和万古 1具
射和万古は、裏千家射和社中「益友社」を主催した竹川竹斎が開いた窯。 |
松阪商人の館
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