竹内浩三のアンソロジー『戦死やあわれ』
「ふるさとの風や こいびとの目や ひょんと消ゆるや・・・」
詩「骨のうたう」などで、今も若い人たちの心をとらえる竹内浩三のアンソロジーが出た。
竹内浩三は、大正10年、三重県伊勢市に生まれた。宇治山田中学時代から、同級生・中井利亮らと回覧雑誌「まんがよろずや」などを出し、漫画から散文に至るまで多彩な才を発揮した。日本大学専門部映画科入学。17年召集され久居にあった中部第38部隊に入営。20年4月9日、フィリピンで戦死した。
竹内浩三の遺品、日記、詩稿は、実姉・松島こうさんから松阪市に寄贈され、現在本居宣長記念館で所蔵している。
全347頁。小林察編。本体価格1.000円。岩波書店・岩波現代文庫。