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◇ 解説
1,「子 の 日 の 松」 1幅
村田春海賛・ 。賛は、
「春ごとに 千とせをのべに 引きそへて 祝ふ子の日の 松の言葉(ことのは)」
今では日本酒の本酒の名前にしか残らないが、昔の日本の正月行事に、子の日に野山で小松を引き、千代を祝うというのがあった。春海は江戸の人。賀茂真淵の高弟であったが十八代通の一人にも数えられる放蕩者でもあった。画は外宮権禰宜で山田の画家・上部斎(うわべせっさい・1781〜1862)。
2,「注 連 縄 (しめなわ)」 1幅
中村左洲画。猿回しのサルが注連縄の橙をねらっている。向かって右側にはユズリハもついている。左洲(なかむらさしゅう・1873〜1953)は二見の人。画は磯部百鱗に学ぶ。とりわけ鯛の絵が得意で、鯛の左洲と呼ばれ、三重県では評判の高い画家。弟子には松阪出身の画家・宇田荻邨がいる。
3,「富 士 の 図」高畠式部画 1幅
賛は、我国の ものとや神の さだめけむ あめとつちとの 中の不二のね 八十二嫗式部(印)式部は松阪に生まれ京都などで活躍した幕末の女流歌人。少年時代の佐佐木信綱の思い出の一つに、名前を千種有功につけていただいたが、色が黒いので皆から「鼠式部」と言われますと笑っていたという。蓮月尼と並び称されたこともあるが、式部は特に細工物に優れ竹筒に古今集の歌400首を刻し明治天皇の御覧に入れたこともあった。高齢になってからは署名に年齢をいれる。明治14年5月没。享年97歳。
4,「竹 図」 愚園賛・月僊画。 1幅
月僊(1741〜1809)は、伊勢寂照寺の僧で画家。多くの作品を残し、寺院復興などにも功績があった。本来は双幅で、もう一幅は、梅の図で殿村安守賛で、現在本居宣長記念館展示室で公開中。
5,「抹 茶 碗」富士の絵 松阪万古 勝山作 1口 |
松阪商人の館
〒515−0081 松阪市本町2195
電話0598−21−4331 |
開館時間 |
9時〜4時30分 |
休館日 |
月曜日・祝日の翌日・年末年始 |
入館料 |
一般200円 高校生・小中学生100円 |