物まなびの系譜 宣長再発見 後期展   

3,「本末歌」1幅 〔個人蔵〕

宣長の一番言いたかったことを長歌に詠んだのが「本末の歌」。
今回展示するのはそれを書く時の下敷き。
一度紙に書いてみたが字配りなどが上手く行かず中断し、
朱で線を引き次に書くのに備えた。
宣長も失敗するのだという珍しい例であるし、
また失敗を繰り返さない慎重な配慮がうかがえる。
このような下敷きが用意されたことからもわかるように、
この長歌はしばしば書かれ、生前中では多忙な父に代わり春庭が、
没後も養子大平が代筆している。
  
「本と末」(もとすえ)、あるいは必要と不必要は、
宣長の思想やまた価値判断の中でも重要な概念の一つ。
たとえば、なぜこのことが問題となるのかという目的を明確にし、
その中でこれは大事、これはそれほど重要ではないというように分け
本末転倒することがない。そのような考えを詠む。


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