宣長流 古典の楽しみ方 <8>   

8,古典の世界をイメージする 

 「図説 日本の古典」というシリーズがあるように、古典に親しむには、現地の風景や当時の文物(たとえば正倉院御物など)、イラスト、地図があると便利です。たとえば松阪の近くにある斎宮歴史博物館に行って展示を見ると、『伊勢物語』や『源氏物語』の世界が身近に感じられますね。

 宣長の場合も同じです。ただし今と違って、自分で作る必要がありましたが。
 『菅笠日記』〔12ケース〕は、大和国(奈良県)吉野や飛鳥など古典の舞台をめぐる旅の記録です。
 「三角柏図」〔2ケース〕や「曲玉(まがたま)図」〔9ケース〕、ほとんど信じていませんが「倭建命燧石袋」〔5ケース〕、これらは古代の文物です。
『古事記』で嫉妬した皇后が船から捨ててしまった「三角柏」、また身を飾る「曲玉(勾玉)」、そのくだりを読むときにはこのような物をイメージしていたのかも知れません。

 「小戸橘檍(あわき)原三瀬の図」〔9ケース〕も『古事記』の重要な舞台を描いた地図です。
 『出雲国風土記』〔13ケース〕も古い本ですが、
その中に載る意宇(おう)郡の「国引き神話」は更に古い文章だと宣長は注目します。
その『出雲国風土記』を読むとき参考にしたのが「出雲国風土記郡郷図」〔13ケース〕です。
 また『古事記』世界を図解したのが「天地図」〔2ケース〕です。

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