6,古典はなぜ大切なのだろう |
古典はなぜ大事なのか。
これにはいくつもの答があります。たとえば私たちが『万葉集』や『源氏物語』を読むのは、楽しいし感銘したりするからです。また、演劇や絵画、アニメ、ゲーム制作と言ったクリエイティブな仕事をする人たちは、創造の源泉として魅力に満ちた世界だと言うでしょう。研究者にとっては、その民族の心や思想を探る貴重な資料となるはずです。民族学、とりわけ神話学などが『古事記』や『万葉集』を材料として論を展開することもあります。
宣長の場合もほとんど同じです。
鑑賞では「物のあはれを知る」に代表される「源氏論」(『源氏物語玉の小櫛』〔7ケース〕)があり、六条御息所と光源氏の馴れ初めを書いた『手枕』(たまくら)と言う創作もあります。
『古事記』をもとに「古道論」を展開するのは、今の研究者の目と同じでしょう。 |