宣長の『源氏物語』講釈は、和歌山藩主徳川治宝も聴講しています。 最初に和歌山に出府した寛政6年(宣長65歳)には、藩主は『大祓詞』などを講釈させますが、お祖母さんである清信院が宣長を召し出し、朝から晩まで『源氏物語』を講釈させ、 その話を聞いたのでしょう、次に和歌山に招いた時には迷うことなく『源氏』を講釈させ、 最期の和歌山行きとなる寛政12年(71歳)にも、もう一度講釈を聴講しました。
「面白御感心被遊候、重ては御留被遊源氏御聞可遊旨被仰出候」 (徳川治宝のおっしゃった言葉)
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