展示品解説

◇壁面展示・◎国重文・○県有形・☆初出品

11,連続と伝統
49,◎『職原抄支流』1巻
 宣長写(15歳)。巻首「子ノ九月四日書始」。奥書「延享元【甲子】年十月十四日、小津弥四郎真良栄貞」。『神器伝授図』に引き続き、延享元年(1744)9月14日書写に着手し、一ヶ月後の10月14日終えた。図五種は巻末に纏めて載せ、「当時禁中図」には著色する。『新造営当時内裏御公家屋鋪惣御門細見絵図』@も筆写年代は不明だが、筆跡より本巻と同時期と推定され、当時の関心の一斑を窺うことが出来る。『職原抄』は、天皇を頂点とする社会の制度を解説した本として、上方では教養書の一つとされ、北村季吟も講釈した。また後年には宣長も講釈を行った。その注釈書としての本書の原本は、天和3年(1683)刊。筆者は不明。本書の筆写はやがて古典の世界に分け入っていく上でのよい事前学習となったことであろう。また、浄土宗と共に宣長の京都観の基礎ともなった。但し、『職原抄』そのものについての宣長の評価は必ずしも高くはない(『うひ山ぶみ』)。
50,◎『神器伝授図』1巻  ★ 中国4000年の歴史を10mに凝縮。   
 宣長(15歳)写。極細字で三皇五帝から清に至る中国の王朝、皇帝の推移を細密に図示。皇統断絶には朱線を引く。中国の歴史における断絶と日本の皇室の連続性について考えはじめた極めて初期の資料として注目される。写本と思われるが、その原本は不明。完成した2日後の9月3日には巻頭部分を抜書した『中華歴代帝王国統相承之図』を作成。奥書「延享元甲子歳九月朔日書終、小津真良」。

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