展示品解説

◇壁面展示・◎国重文・○県有形・☆初出品

1,修学期
1,◎『うひ山ぶみ』1冊 
 寛政10年(1798・69歳)6月13日、『古事記伝』44巻終業。7月20日、『家のむかし物語』清書。10月8日、『濃染の初入』(『うひ山ぶみ』初稿)起稿成。同月13日、『うひ山ぶみ』再稿成。同21日、第三次稿本成。同26日、板下執筆開始。翌年刊行。
 学問の入門書。書名は、学問の山に初めて踏み入るの意味。冒頭「世に物まなびのすぢ、しなじな有て、一トようならず」と学問領域を大別、次に学問を志す者には、自分で考えること、つまり主体性と、継続が大事と説き、最後に必読書、読書法を説く。実践者の言葉だけに今も傾聴に値する。展示は第三次稿本。『古事記伝』用箋を使用し、右端に「十月十三日書始、十ノ廿六板下書ハシム」と執筆時期のメモを残す。「ノ、又後世風をもすてす」迄、以下欠。
2,◎『家のむかし物語』1冊 (再稿本)
 寛政10年(69歳)。本居家史。『本居氏系図』と対。内容は、先祖から当代まで歴代当主の生涯を記す。宣長自身についても69歳までのことを簡明に記載し小伝としてもまとまる。文中、自分は「物まなび」の力でたくさんの本を書き表し、日本の道を解明しそれを広めることが出来た(「物まなびの力にて、あまたの書どもをかきあらはして、大御国の道のこゝろをときひろめ、天の下の人にもしられぬる」)と語っている。ここでも「ものまなび」が一つのキーワードとなっている。
3,◎◇「新御造営当時内裏御公家屋舗惣御門細見絵図」1幅
 宣長(10代後半の筆写)の写した内裏図。『職原抄支流』と同時期か。
4,◎『和歌の浦』4冊
 展示第1冊、延享4年(1747)11月14日起筆。「本居栄貞」署名。「○短冊墨次の事云々」。欄外に「是より以下或秘書に記す処也」とある。後に否定することになる「和歌秘伝」を引用。一応全部吸収、その後で肯定、否定をするのが宣長の勉強の特徴。
5,◇「上皇西巡南京歌」李白作・景山書 1幅幅

>>「床の間の掛け軸」
6,◎『百人一首改観抄』2冊
 契沖著。宣長手沢本。百人一首の注釈書。1748年、堀景山(61歳)と樋口宗武が刊行(『近世畸人伝』)。

>>「契沖との出会い」
7,◇「万葉代匠記 稿本残闕」1幅
 契沖の代表作。京都修学中の宣長は本書を何とか見たいと望んだが、入手は困難で全巻を読むことができたのは遥か後年のことである。展示は、自筆初稿本巻2(154・155番歌)草稿断簡。
8,◎◇「宣長懐紙 村田元寿尼八十賀」1幅

>>「村田元寿尼八十賀」

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