本居宣長記念館 本居宣長記念館

教えて宣長さん!

Q6: 宣長は字を間違えないのですか。
    どうしてまっすぐに字が書けるのですか。

A6:

宣長は不思議な人で、作業を円滑に処理するために、頭の中にいくつもの部屋が用意されていました。
パソコンで、仕事内容別にソフトをインストールするみたいなものだと思ってください。
 
たとえば『古事記伝』執筆の時は、『古事記伝』執筆モードに頭を切り換える。
医者の時、歌を詠むとき、講釈の時、絵を描くときなど、モードのスイッチを切り替えるのです。
だから絵を描くモードに切り替えないままでスケッチすると、哀れなような絵になります。
字の場合は、『古事記伝』再稿本執筆時は、ほとんど書き損じはありません。字を間違えないのです。
ところが書簡、つまり手紙執筆モードでは、けっこう間違いや乱暴な訂正もあります。
今、展示中の「荒木田軽雅宛書簡」などその好例です。
一番最初の質問への回答は、間違わないで書くことも出来るし、間違うときもあります。
但し、間違う頻度は極端に少ないのです。
 
第二番目の質問ですが、これは簡単です。
写真1は、宣長の『日記』です。線も何も引かれていない紙にまっすぐに字が並びます。
写真2は、同じ宣長の『日記』の、最後の部分です。字の下に何か見えますね。
そうです、グラフ用紙のような下敷きを入れるのです。
そのページが終わったら、新しいページに差し込むのですが、
病気で寝込む直前、最後のページですから、下敷きが入れたままになっているのです。
記念館には、『国号考』や『手向草』、『新古今』用の下敷き(史料名称は、「罫」)があります。
また何の本かは明示しなくても、「寛政十年戊午八月造」と宣長の筆で下敷きを作成した年月日が記される場合もあります。
(『新規寄贈品目録』参照)
 
この、目的別のいろいろな下敷き(罫)も、頭のモード切替のためにうまく使われたのかもしれませんね。

写真1 『日記』
写真2 『日記』

 

2014.3.20


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