八月の宣長

◇ 8月

 8月は涼しさを覚える季節。稲穂も青々として刈り入れももうすぐだ。「八月(ハヅキ)は穂発月(ホハリヅキ)」『古事記伝』巻30。


◇ 時候の言葉(寛政10年書簡)
「朝夕涼気相催候節」(8月14日・小西春村宛)
「如仰秋冷之節」(8月19日・川村正雄宛)
「秋冷之節」(8月25日・小西春村宛)


◇ 3つの大きな出来事
  1. 元文2年(8歳)8月、西村三郎兵衛を師として手習いを始める。
  2. 明和2年(36歳)8月4日、谷川士清に書簡を送り交友が始まる。
  3. 寛政2年(61歳)、六十一歳自画自賛像を描き、賛を書く。

◇ 8月の歌

 今月の歌はやはり八月十五夜の作が多いようです。
 安永8年、宣長50歳の歌を見てみましょう。

    八月十五日の夜川辺にて月を見て
河水に みちぬる影は 井せきにも 
         あまりて落る秋の夜の月

    八月の廿日ころ月を見て五十になりしとし

あはれとは 見ずや五十の 秋の月 
         やどかす袖の 露の深さを

前年、やっと『古事記伝』巻17を書き終えました。『古事記』上巻部分の注が終了です。ほっと一息、迎えた50歳。月を見て感慨もひとしおだったようです。


【もっと知りたい】

◇ 手習い 「本居宣長六十一歳自画自賛像」を描く
◇ 松平康定との対面 ◇ 8月の宣長
◇ 八月十五夜の歌 ◇ 八月十五夜と九月十三夜は比較される


毎月の宣長さん