三月の宣長

◇ 3月

 弥生、3月には桜も咲き始める、雨も多い。万事改まることが多い月だ。江戸に向かう人、帰る人。改名もこの月が多い。参宮客も増え出す。この月には重大な出来事が多い。「3つの大きな出来事」、また「万事改まる3月」を見てください。


◇ 時候の言葉 (寛政10年書簡)
「次第暖気ニ相成候節」(3月9日・小西春村宛)
「春暖相催候節」(寛政9年3月11日・千家俊信宛)
「如御示逐日春暖之節」(寛政9年3月13日・高尾吉宛)
「此間は打続雨天御坐候」(寛政9年3月18日・小西春村宛)
「春暖の節」(3月23日・植松有信宛)


◇ 3つの大きな出来事

  1. 宝暦2年(23歳)3月5日、医学修行のため京都に出立。16日、堀景山に入門し、寄宿する。
  2. 宝暦5年(26歳)3月3日、医者となり、「宣長」と改名する。
  3. 明和9年(43歳)3月5日、吉野花見に出立。『菅笠日記』の旅。

◇ 3月の歌

しめやかに けふ春雨の ふる言も 
      かたらん嶺の 松かげの庵(イオ)
 

    山躑躅
入りはてて 後も照る日の 色はなほ 
      つつじにのこる 春の山の端
                  (明和9年・43歳)

※「しめやかに」の歌は、宝暦13年3月25日、京都の歌人で、松坂滞在中の澄月に贈った歌。
  樹敬寺に歌碑がある。

>>「嶺松院歌会」


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