midashi_o.gif 蘇民将来(ソミン・ショウライ)

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 「蘇民将来」は、「備後国風土記(逸文)」など説話に登場する人物。
 伊勢地方には次のような話が伝わっている。

 昔、素戔嗚尊(スサノオノミコト)が根の国に行こうとしてミタワの国まで来たが、そこで暴風雨に遭い困っていると蘇民将来が助けてくれた。命は感謝して、疫病が流行るから気を付けろと忠告し蘇民一家は難を逃れた。

 そこで、疫病除けなどのため「蘇民将来子孫の家」と札に書いて玄関に掛ける。
 三重県度会郡二見町にある松下社は、素戔嗚尊を祀り、当地では「蘇民の森」と呼ばれている。

 『本居宣長随筆』には、谷川士清の『日本書紀通証』が引かれる。士清説の大意は「備後国風土記、ほき内伝など、宿を蘇民将来に乞うのことあり。けだし素尊(スサノオノミコト)の生民を将来に蘇朔(再び生まれ変わらせる)するの寓言なり」。
 「蘇明将来」については、各書に記載がある。例えば、本間雅彦『牛のきた道 地名が語る和牛の足跡』(未来社・ニュー・フォークロア双書)など。

 伊勢地方のしめ縄については、藤原寛「三重県下のしめ縄 上」(『(伊勢)郷土史草』24号)や、『松阪市史』など各市町村史に詳しい。ちなみに私の家(松阪市笹川町)では、将棋の駒の形の板に、表に「蘇民将来子孫之家」、裏に「急々如律令」と書いた札をしめ縄の上に飾っている。この札は何十年来使用している。宣長の家のように毎年更新では無い。



(C) 本居宣長記念館


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