明和7年7月28日(1770年9月17日)の「赤気」について、
『近世日本天文史料』大崎正次編(原書房)では、
「明和七年七月二十八日の極光は日本で見えた極光の記録のうち最も著しいもので、約四〇種の書物にその記録が残っており、その主なものを挙げれば、星解(京都、若狭)、村井随筆(箱根、名古屋)、折々草(京都、若狭、大和、松前、長崎、加賀)・・」 と、『明治前日本天文学史』(神田茂)を引き記述する。
「オーロラを見た宣長」に載せた図は、
最初に挙げられた『星解』から採った。
同書の写本が、村井古巖の林崎文庫献納本の中にあった。
その後、文庫から流出し、回りまわって現在は松阪市の所蔵である。
〔村井古巖献納本 『星解』〕
『【林崎文庫塩竃神社】村井古巖奉納書目録 下一』
(皇學館大学神道研究所・神道書目叢刊六)
には、
「2381 星解 一」
とし、「参考」として、
「神宮文庫には、『星解』と題する次の一本を所蔵しているが、村井古巖奉納本そのものではなく、奉納分の写本である」
と説明する。
目録に紹介されているのは、天明5年8月に佐藤吉大夫が林崎文庫本を写した本の再転写本で、
「村井古巖奉納する処の原本散佚あらす。則ち先考伝写するの一冊を寄贈すること然り。于時、明治四十一年中秋、荒木田氏公(印・「公」)」
と奥書にあり、明治41年には既に流出していたことになる。

旧林崎文庫本『星解』 巻首
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「オーロラを見た宣長」
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「村井古巖」
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