『万葉集』

 『うい山ぶみ』で、

「二典(『古事記』、『日本書紀』)の次には、万葉集をよく学ぶべし」
と宣長は書き、この集の歌を真似て、自分でも古風歌を詠むことが大事であると言う。
「歌をよまでは、古への世のくはしき意、風雅(ミヤビ)のおもむきはしりがた」いからだ。

 これは師・真淵の教えでもあった。このように、宣長における『万葉集』の位置づけは、まず『古事記』を読むための階梯としてである。
 ただ門人には、賀茂真淵の「古風歌」への共感もあり、大平を始めとして、本書を好む人も多かった。そのため、宣長は晩年まで本書の講釈を継続した。宣長手沢本の『万葉集』の特徴は、門人、また鈴屋を訪れた諸国の人の意見まで、積極的に記録している点にある。活発な意見の応酬がなされたことが分かる。


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(C) 本居宣長記念館


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