midashi_v.gif 『毎朝拝神式』(マイチョウハイシンシキ)

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 1巻。本居宣長撰。成立年不詳。
 従来、記念館本は円熟期の作とされてきたが、筆跡、内容からは40代前半頃執筆か。
 内容は、宣長が毎日拝していた神名や神社名20を挙げ、方角、拝礼の次第を記す。淵源は19歳の「日々動作勒記」(『覚』)にある。その中から仏教色を除き、神名も整理し、吉野水分神社などを加える。
 大平は、宣長40歳頃にその式を書写、享和3年に伴信友に示している。
 記念館本は大平本に大きな異同はなく、拍手の数も大平本と同じく「二」つであったものを、後に「四」に改めた形跡がある。大平に依れば、晩年は伊邪那岐、伊邪那美、神直日、大直日、禍日等も加えられたと言い、神名に変遷があったことが窺える。略したものを子息が唱えたという。大平も自ら改変を加えて作成し、また平田篤胤の「神拝詞廿五編」(『玉襷』)に影響を与えたとされる。

【毎朝】拝神式
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 卯辰の方に向ひ手を拍つ【四つ】、額突きて
○神風の伊勢の国さくくしろ五十鈴の川原の底津石根に大宮柱太敷立(フトシキタテ)高天の原に比木(ヒギ)高知て鎮り座し坐す天照す皇(スメ)大御神の大朝廷(オホミカド)を慎み為夜麻比(ヰヤマヒ)恐(カシコ)み恐みも遙に拝み奉る
○外つ宮の度会の山田の原の底津石根に大宮柱太敷立(フトシキタテ)高天の原に比木(ヒギ)高知て鎮り座し坐す豊受(トユウケ)の皇大御神の大朝廷を慎み為夜麻比(イヤマヒ)恐(カシコ)み恐みも遙に拝み奉る。
     又
○二大宮の枝宮枝社の大神たちの大前をも慎み為夜麻比(ヰヤマヒ)恐み(カシコミ)恐みも遙に拝み奉る。
 東の方に向ひ手を拍つ【四】、額突きて
○高御産巣日(タカミムスビノ)大御神、神産巣日(カムムスビノ)大御神二柱の大御霊を慎み為夜麻比(イヤマヒ)恐み(カシコミ)恐みも拝み奉る。
 
戌亥の方に向ひ 同前(手を拍つ【四】、額突きて)
○八雲立出雲の国の熊野の大宮に鎮座坐す大御神の大前(オホマヘ)を慎み敬(ゐやまひ)恐(カシコ)み恐みも遙に拝み奉る。
  拍手額突同前
○八雲立出雲ノ国八百丹杵築(キツキ)ノ宮に鎮座坐す天ノ下造らしし大国主の大神の大前(オホマヘ)を慎み敬(ゐやまひ)恐(カシコ)み恐みも遙に拝み奉る。
 ○同前(拍手額突)
○常世ノ国に坐ス少那毘古那(スクナビコナ)ノ大神の御霊(タマ)を慎み敬(ゐやまひ)恐(カシコ)み恐みも遙に拝み奉る。
 ○同前(拍手額突)
○水葉八重事代主ノ大神の御霊(タマ)を慎み敬(ゐやまひ)恐(カシコ)み恐みも遙に拝み奉る。
 ○同前(拍手額突)
○大年ノ大神御年ノ大神の御霊(タマ)を慎み敬(ゐやまひ)恐(カシコ)み恐みも遙に拝み奉る。
 ○同前(拍手額突)
○宇迦能御魂(ウカノミタマ)ノ大神の御霊(タマ)を慎み敬(ゐやまひ)恐(カシコ)み恐みも遙に拝み奉る。
 ○同前(拍手額突)
○竈(カマ)ノ大神の御霊(タマ)を慎み敬(ゐやまひ)恐(カシコ)み恐みも遙に拝み奉る。
 ○同前(拍手額突)
○庭津日(ニハツビ)ノ大神庭高津日ノ大神二柱の御霊(タマ)を慎み敬(ゐやまひ)恐(カシコ)み恐みも遙に拝み奉る。
 ○同前(拍手額突)
○阿須波(アスバ)ノ大神波比岐(ハヒギ)ノ大神二柱の御霊(タマ)を慎み敬(ゐやまひ)恐(カシコ)み恐みも遙に拝み奉る。
 ○同前(拍手額突)
○土ノ御祖(ミオヤ)ノ大神の御霊(タマ)を慎み敬(ゐやまひ)恐(カシコ)み恐みも遙に拝み奉る。
 ○同前(拍手額突)
○御井ノ大神の御霊(タマ)を慎み敬(ゐやまひ)恐(カシコ)み恐みも遙に拝み奉る。 未申方向、同前(拍手額突)
○吉野山に座坐ス水分(ミクマリ)ノ大神ノ大前(オホマヘ)を慎み敬(ゐやまひ)恐(カシコ)み恐みも遙に拝み奉る。
  東向、同前(拍手額突)
○伊勢の国御魂(クニミタマ)ノ大神の御霊(タマ)を慎み敬(ゐやまひ)恐(カシコ)み恐みも遙に拝み奉る。
 ○同前(拍手額突)
○此邑(コノムラ)を総守護(スベマモリ)賜ふ産土(ウブスナノ)大神の御霊(タマ)を慎み敬(ゐやまひ)恐(カシコ)み恐みも遙に拝み奉る。
  北向、同前(拍手額突)
○御厨に座坐ス大神の御前(ミマヘ)を慎み敬(ゐやまひ)恐(カシコ)み恐みも遙に拝み奉る。
  戌亥向、同前(拍手額突)
○此坊(コノマチ)を守護(マモリ)賜ふ山ノ大神の御前(ミマヘ)を慎み敬(ゐやまひ)恐(カシコ)み恐みも遙に拝み奉る。
  已上一神別(ゴト)ニ手ヲ拍ツコト二ツ額突拝奉」



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