期間 2004年6月8日(火)〜2004年10月3日(日) ※8月31日(火)一部展示替え。月曜休館。 >> 一部展示替えの詳細 【入館料】 おとな300円、こども100円 【展示点数】79種93点。国重要文化財28種。
☆ 展 示 の 主旨 200年後の現在にまで大きな影響を及ぼす国学者本居宣長の学問は、 日常生活を営む中でどのようにして形成されたのか。 今回の展示では、「宣長の見方」をテーマに取り上げます。 「宣長の見方」には二つの意味があります。 宣長をどのように見るのかと言うのが一つ。 もう一つは宣長のものの見方です。 今回は主に次の10のテーマをもとに、 両方を行きつ戻りつしながら、宣長世界を探訪してもらいます。
<10の主題> 1、源氏物語。 20歳の頃、宣長は『源氏物語』を読みます。この物語が宣長の文学観や美意識の基礎となりました。 (主な展示品)『源氏物語湖月抄』・『宣長懐紙』・『殿様の仰書』など。 >>『源氏物語』 2、物産への関心。 『万葉集問目』や『古事記伝』など、宣長の著作には動植物、また地名のことがよく話題となります。物産は古典世界に入っていくための大切な入り口です。 今回は、カタクリやイルカ、クラゲについての飽くなき探求心を見てもらいます。 (主な展示品)『万葉集問目』・『古事記』・『蓬莱尚賢書簡』など。 >>「イルカのレポート」 3、情報重視。 宣長は本の値段や、例えば医者の仕事で使う薬剤の産地効能情報、また自費出版した本を本屋が扱うときの手数料などいろんな情報を集めていました。 『書名等覚書』・『本草摘要』・『書添』など。 4、生活が基本。 医者の仕事をおろそかにしないことが活動の基本です。 (主な展示品)『済世録』など。 >>『済世録』 5、日本という視点を持つ。 『大日本天下四海画図』を描いた17歳の頃から宣長は日本というレベルで考えるようにしました。 >>『大日本天下四海画図』 6、自分を見つめる。 「日記」や「自画像」。自分への関心がすべての出発点であり、いつも立ち返るべき原点でした。 (主な展示品) >>「本居宣長四十四歳自画自賛像」 >>「本居宣長六十一歳自画自賛像」 7、図解志向。 宣長は文字の人です。しかし思考の時には図解で考えました。また普段の生活でも、図で記録したり、指示したりすることがありました。 (主な展示品)『天地図』・『玉くしげ別巻』・『宣長書簡』(京都旅宿の図)・『遺言書』など。 >>「図解」 >>「おのが京のやどりの事」 8、本は出版する。 (主な展示品)『鈴屋集板木』・『源氏物語板木』など。 >>「宣長と出版」 9、体験重視。 富士登山の経験を著作に活かすなど、宣長の発言や思考は体験に根ざしていました。 (主な展示品)『解嘲論の弁』など。 >>「富士山」 >>「万国図」 10、高所志向。 宣長は高い所が好きだったようです。全体眺望が得られるからで、図解志向とも関わってきます。今回は宣長の高所志向を一番最初に指摘した、京都時代の友人清水吉太郎の『送本居蕣菴帰勢序』(国重文)を始めて展示します。 >>「宣長さんの高所志向」