【主要展示品】 ◎……国重要文化財
◎『古事記伝御題字』徳川治宝筆 1幅
宣長最大の著作『古事記伝』の出版が完遂したのは、宣長没後21年目の文政5年(1822)のことでした。宣長の後を継いだ本居大平が、最後の第八帙(巻40〜巻44)を藩主・徳川治宝に献上した際、宣長の功績を認め、書いてくださったのがこの『古事記伝』という題字。表具に使われる裂もこのとき、治宝から賜ったものです。
◎『慶賀の詠草 和歌山城内講筵の図』本居宣長詠 1幅

寛政6年(1784)12月10日、和歌山から帰郷した宣長の喜びの歌と、寛政11年(1789)2月17日に御前講義を行ったときの見取り図を1幅の軸に仕立てた資料です。宣長にとって初めての和歌山行となった寛政6年、『中臣祓』や『詩歌大概』を題材にした御前講義は評判が良く、そこで宣長は、五人扶持から十人扶持に加増されました。この詠歌は、帰郷後鈴屋で開いた祝賀の歌会で詠んだものです。また、見取り図(下写真)は、寛政11年、こちらも御前講釈を行ったときの部屋の様子を記録したもの。18畳敷の広間を隔てた向こうに、治宝が座っています。宣長は、講義を行いながら、部屋の間取りや役人たちの配置、襖や壁の装飾までしっかりと観察していたことがわかります。
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