◇ 展示の趣旨

飛んでいる字、流れるような水くきの跡。精巧な学問を象徴するような謹厳な文字。
同じ時代でも、和歌と『古事記』研究では書体が違います。文字は宣長の生活のシーンをよく表しています。
今回の展示では、子どもの頃から亡くなる直前まで、宣長の書いた字の大集合です。
また、宣長にとっては母方の親戚で、松坂を代表する書家・荒木是水(ゼスイ)の「千字文」を初公開します。
母勝の書簡と併せてごらん下さい、当時の書を鑑賞してください。
宣長の筆跡ともぜひくらべてみてください。
松坂城跡が国の史跡に指定されました。宣長まつりでは、今年も「国学の道」散策を計画しています。展示室でも、宣長の『日記』に記録された安永6年の石垣修理記事や、また四五百の森を詠んだ宣長の歌など、四五百の森や松坂城関係資料を集めたコーナーも用意しました。ぜひごらん下さい。
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主な展示品

「本居宣長四十四歳自画自賛像」1幅・『枕の山』草稿(国重文)
『万葉集』20巻 宣長手沢本(国重文)・「短冊」1枚※宵森(松阪公園周辺)の郭公を詠む。宣長詠・大平筆
『千字文』荒木是水書【井田正造氏寄贈】・「勝子書簡」(国重文)
「千字文」荒木是水筆
「嶺松院会会集」 (国重文)
向かって左が宣長の字です。宣長が加入することで表紙も文字も変わりました。 
是水の従妹になる村田元寿の八十賀を祝う宣長の歌

春の浮き立つ気分が表れたような宣長の懐紙
【展示品総数】80種113点 ※国重文50点
◇ 展示品説明会 3月、5月、6月第3土曜日11時から(無料)
◇ 宣長まつり 4月3日
◇ 第28回 鈴屋学会大会 4月16日・17日
公開講演会 日本芸術院会員・歌人 岡野弘彦氏
(詳細はあらためて発表いたします)
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