◇ 展示主旨

松阪が生んだ江戸時代中期最大の国学者本居宣長は、53歳の時に、自宅2階に鈴屋(すずのや)という書斎をつくります。その名は、鈴好きの宣長が36個の鈴を結んだ赤い紐を書斎の柱にかけていたことに由来し、鈴は柱掛鈴(はしらかけすず)と呼ばれています。『古事記伝』をはじめ、著作のほとんどは、四畳半の鈴屋で執筆されています。彼は、研究に疲れた時に柱掛鈴を鳴らし、その音色を聞いてリフレッシュした上で、また研究に没頭したといわれています。
鈴屋を含めた本居宣長の旧宅は、明治の時代に入っても彼の生前中と同様、松阪市内の魚町にありましたが、防災と保存のために松阪城址の現在の地に移築され、それが完了したのが、明治42年(1909)のことでした。
明治42年は、今年から数えるとちょうど100年前となり、本居宣長にまつわる遺蹟保存の歩みを考える上で節目の年にあたります。
そのため本企画展は、鈴屋移築100周年を記念した展示を行いますが、特別に書斎鈴屋の公開及び、魚町の本居宣長旧宅跡(国特別史跡。長男の本居春庭宅を含む)も公開いたします。ぜひご来館下さい。
◇ 主な展示品

「古事記伝」
「宣長手沢本古事記」
「別本 家の昔物語」
「鈴屋旧宅棟札」
「日記」
「鈴屋集」
「鈴屋遺蹟保存会関係書類」
「鈴屋移築関係書簡・図面」
「柱掛鈴」等。
☆ 特別公開

「書斎鈴屋」・魚町旧宅跡「春庭邸」を特別公開します。
展示品説明会の日、午前9時から4時まで。
「書斎鈴屋」は記念館入館券でごらん頂けます。魚町邸の見学は無料です。
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平成21年12月19日(土)
□ 平成22年1月16日(土)
□ 平成22年2月20日(土)
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